書籍紹介「ー開陽丸艦長ー澤太郎左衛門の生涯」

本書は、日本銃砲史学会編『銃砲史研究』に「幕末和蘭留学生 澤太郎左衛門の軌跡」と題して発表された原稿に加筆・訂正し出版されている。
澤太郎左衛門の日記が散見されて興味ぶかい。幕末・明治のテクノクラートの一人として忘れてはならない人物である。
なお、補遺(二)海軍軍医総監高木兼寛の脚気予防と撲滅への道、とある項は、著者の恩師樋口一成氏の『樋口一成伝』より、抜粋したものらしいが、樋口氏の祖父高木兼寛もさることながら、その夫人の父が手塚律蔵(手塚謙蔵)であったという。あのヒューゲニンの原著を『イラク国立鐵砲鑄造所に於ける鑄造法』と翻訳した人であり、銃砲史に欠かせない人物である。本題以外でも楽しめた本であった。

タイトル:開陽丸艦長 澤太郎左衛門の生涯
著:霜 禮次郎
発行:新人物往来社
発売:2012年4月
定価:
商品コード:9784404041715
B6判/235P
NDC分類:289.1
Cコード:C0021

著者の霜 禮次郎氏は日本銃砲史学会の顧問でもあり、公益社団法人日本ライフル射撃協会 スポーツドクターとして活躍されています。
この書籍は日本銃砲史学会「銃砲史研究 第375号」に峯田理事により紹介されています。