書籍紹介「江戸の給与明細」

いつの世も他人の収入や給料は気になるものだが、江戸時代に生きた人々の収入・給料はどれほどのものだったのか。
上は将軍から下は名もない町人・農民まで、その格差は非常に大きかった。
身分や職業でもまったくちがっていたが、それまでの時代とは異なり、
江戸時代に入ると、収入・給料を推定できる文献が数多く残されている。
場合によっては、その明細までわかる場合さえある。
本書は、そんな江戸の給与明細について五つの切り口から迫るものである。
江戸の人々の懐事情をよりよく知ってもらうために、
米や土地などの値段を手がかりに、先人たちの給料を現代のお金に換算した。
金1両を12万円と設定したが、
江戸時代の物価と現在の物価と比較する場合、何をもって指標とするかでまったくちがう数字が出てしまう問題がある。
さらには、当時は金貨・銀貨・銭貨という三つの貨幣が同時に流通していた複雑な社会であり、
正確には推定できない。あくまでも大まかな目安である。
現在の円に換算された金額を知ることで、
時代劇を見たり、時代小説を読んだりする際、
江戸のお金事情が身近に感じられるだろう。

タイトル:江戸の給与明細
監修:安藤 優一郎
発行:MdN新書
初版発行:2022年12月11日
定価:980円(本体 891円+税10%)
ISBN 978-4-295-20480-0
新書判/192P

日本銃砲史学会加唐理事が執筆にかかわられた書籍です。