書籍紹介「考証要集 2 蔵出し NHK時代考証資料」

 2013年12月に出版された「考証要集 秘伝! NHK時代考証資料」の続編。
ながくNHKのドラマを担当するディレクターとして、時代考証の専門家とドラマ制作現場をつなぐ仕事をしてきた著者が、これまでに得た豊富な知識を社内資料としてまとめた文書を、世のドラマ愛好家のために公開した前著は、大きな人気を獲得し、重版を重ねて10版を数えるようになった。
 それから5年、ますます豊富になる時代考証の知識を新たにまとめた、著者の集大成とな
る「時代考証資料の決定版」が本書。
 事典形式で、アイウエオ順に「言葉」や「モノ」を並べ、その正しい使い方、使ってもいい時代といけない時代、現場がやりがちな間違い、を詳しく解説する。
 特に続編では、多くの項目で説明を長めに取り、歴史解説としても読みごたえがある一冊になっている。
 著者は歴史学者ではなく、ドラマの現場の人だけに、「あれは間違い、これもダメ」というのではない。どのように言えばよりドラマがリアルになるか、に心を砕いている。
 NHKといえば、「大河」と「朝ドラ」が2枚看板。歴史を描く大河ドラマではつねに時代考証が話題になるが、近年の朝のドラマには明治から昭和を描く人気作が多い。こうした近い過去ほど、その時代を実際に生きた視聴者がいるだけに、間違った時代描写は作品を台無しにする。昭和何年には、これがあったのか、なかったのか。正確な考証がドラマの仕上がりを左右する。
 太平洋戦争をまったく知らない若い世代ばかりの制作現場が、戦争の時代を類型的に描かぬよう、つねに研究して正しい知識が伝わるように、筆者は努力を続ける、
 時代考証の世界は、実に奥が深いのだ。

編集者より
 ドラマ制作の現場で奮闘してきた著者ならではの「時代考証のポリシー」が伝わってくる第二弾です。けっして考証とはアラ探しではなく、ドラマを見ている観客を「リアルな世界に招待する」ためのもの。いわば「ドラマを面白くする魔法」こそが時代考証なのです。前作から5年、その間に制作されたあの話題のドラマの舞台裏も、探せばあちこちに出てくる、宝探しみたいな魅力もある一冊です。ドラマを見ながら、見た後に、是非。

タイトル:文春文庫 考証要集 2 蔵出し NHK時代考証資料
著者:大森 洋平
出版:文藝春秋(文春文庫)
発売日:2018年12月10日
定価:803円(税込)
文庫判 304ページ
ISBN978-4-16-791198-0

 第408 回の例会で講師を務められたNHK ドラマ番組部時代考証担当の大森洋平さんの『考証要集』の続編『考証要集2』が出版されました。前作『考証要集』から5 年たち、新たにNHK のドラマの現場で作られた「考証メモ」の集大成です。


 この書籍は「日本銃砲史学会ニューズレター第3号 書籍のお知らせ」で紹介されています。